おすすめの軽量山岳テント MSR Hubba Hubba NX は、2人にぴったりなテント(設営の仕方なども紹介)【山道具沼】
2019年 リニューアルモデルが発売されました。
記事後半に追記(2019年4月20日)
ポールの材質以外
テントの張り方は基本的に同じなので、参考に見てくださいね!
去年(2016年)山登りを始めてしばらく過ぎた頃、
今年の夏には涸沢でテント泊するぞ!と目標を立てました。
そのためには、春〜初夏までになんとかテントを購入し、
一度は近場で試し張りもしておきたい。などと考えていました。
計画通りバックパッキングテントを購入できて、富士山で試し張り、
そして夏には目標の涸沢でテント泊をしてきましたので
MSR Hubba Hubba NX 2017年モデルのレビューを書いてみようと思います。
これまでにボーイスカウト時代の重いコットン三角テントに始まり、
オートキャンプに行きまくっていた頃のEureka!サンドーム4までいくつかのテント経験があったのですが、今回は初めての山岳テントです。
これまでのテントと比較することはできませんが、
多少でもこれから MSR Hubba Hubba NX を選択候補にしようかという人の参考になれば幸いです。
悩みに悩んで購入したテントは、MSR Hubba Hubba NX 2017年モデル
(以下 ハバハバNX)です。
ハバハバNXは、
インナーテント本体+レインフライ+ポール(フレーム)+ガイライン+ステイク10本がセットとなり
フットプリント、リペアキットは別売となります。
写真左から、スタッフバッグ(中にはインナーテント本体+レインフライ+ガイライン+ステイクが入っています)、ポール、フットプリントです。
スタッフバッグには余裕があるので、雨天の撤収時など、適当に詰め込んで、ドローコードで口を締め、最後にコンプレッションベルトで圧縮できます。
ポールだけ別にすれば、かなりコンパクトなので、涸沢テント泊の時にはバックパックへ詰める際にかなり自由度がありました。
もちろん、スタッフバッグにはポールもフットプリントも全てをひとまとめにする余裕もあります。
スタッフバッグのふた部分には、組み立て方法も書かれています。
4コマの説明ですが、実際本当に簡単に組み立てられるのでこれで十分だとも言えますが、組み立て写真と気づいた点を交えて書いていきます。
●設営の準備
MSRのロゴを上にしてフットプリントを広げます。
風があるときには、4隅をステイクダウンしておくといいでしょう
フットプリントの上にインナーテントを広げます。
次にテントポールを広げます。DAC社製 フェザーライトNFL。
鮮やかな赤いポールがカッコイイですね!
独特のハブ付きポール構造で全部が一体になり繋がっています。
この独特の構造が広い居住性を実現しています。
mont-bellステラリッジなどのクロスポール式に比べ複雑に見えますが、
広げるだけで、テンションコード(ゴム紐)がほぼ勝手にカチャカチャと組み上げてくれます。
そしてポールの末端で、フットプリント、インナーテント、レインフライのグロメットを串刺しにできる構造になっているので、4隅に差し込めばポールが立ち上がります。
また、この構造のおかげで、降雨時などはレインフライとフットプリントとポールだけでシャルターを組み立て、インナーテントを濡らさずにセットすることもできます。
逆に、撤収時はインナーテントだけ先に片付けることができるので、雨天には便利でしょう。
先日、熊野の川湯温泉へ行った際に
レインフライとフットプリントとポールだけでシャルターを組み立ててみました。
写真は、中にインナーテントを広げたところ。
●インナーテントのセット
立ち上げたポールにインナーテントをセットしていきます。
まず、ポール天頂部の短いリッジポールの先端を、
インナーテント上部の中間点(ドアファスナーの上端)にある 2つのグロメットに挿入します。
この時、リッジポールが長手ポールの上側になるようセットします。
(下側にすると後述のレインフライのグロメットが届かないくらいギリギリのサイズで作られています)
次に、テントの長手方向のポールにクリップを取り付けてインナーテントの完成です。
特徴的な形、インナーの上ほぼ半分がメッシュのため、黒、赤、白のカラーリング
インナーテントだけの姿はとにかくデザインがカッコいいですね!
●レインフライの取り付け
レインフライとインナーテントの出入り口の開閉方向を揃えるため、
4隅のグロメットは、赤とグレーのテープで色分けされています。
インナーテントの赤とグレーのテープに色が合うようにレインフライをかぶせ、
レインフライの中間点にある 2つのグロメットをリッジポールに取り付けます。
ぴんと張るまで前室を引き出し、縫い目がフレームに重なるように注意しながらステイクで固定します。
4隅にある調整可能なループグロメットをテントポール下部に固定します。
ハバハバNXは自立型テントなので、この状態でも十分に安定して使用できますが、
突風でテントがコロコロと転がって行ってしまってはシャレになりませんから、
しっかりガイラインとステイクで固定して完成です。
●ガイライン
2017年モデルのハバハバNXにはガイラインアタッチメントが4ヶ所あります。
↑ 従来からあるガイラインアタッチメント
↓ 新しく増設されたガイラインアタッチメント
従来のモデルは2ヶ所だったため、稜線上など風を心配する声が見受けられますが、
4ヶ所に増え安心感が増したように思います。
実際、10本すべてのステイクと、しっかりガイラインを張ったハバハバNXは、多少の風にはびくともしません。
●入口・前室
入口は両サイドにあり、両入口とレインフライを開いき風が吹き抜ける解放感は抜群です。
前室は片側0.81㎡の広さがあり、2つで1.62㎡
片側だけでも、ステラリッジの0.36㎡に比べ2倍以上という広さもポイントです。
さらにレインフライの開閉はポールに近いサイド位置にファスナーがあるため、室内から容易に開閉できます。
ニーモTANI2Pのように中心にあるものに比べ、遠くて届かないということがありません。
↑ 左:インナーテント入り口の留め具 右:レインフライの留め具
レインフライを束ねる留め具は、ダッフルコートの留め具と同じトグルクラスプの方式で、シンプルでとても使い勝手の良いものです。
ベンチレーションは2ヶ所、芯の入った棒をマジックテープでつっかえ棒のように固定して開きます。
●室内空間
室内は、2.13m×1.27m、室内高は1mジャスト。
二人用山岳テントの標準サイズといったところですが、
ボトムに近い壁面は4面ともほぼ垂直なため、数値以上に広く感じられます。
さらに入り口側の壁面は全面がほぼ垂直に立ち上がっているため、
Xクロスフレームのテントのような頭部の圧迫感がありません。
このため、室内空間は数値以上にかなり広く感じられ快適です。
個別の写真ではわかりづらいので、360°ぐるぐる見回してみてください。
MSR HubbaHubba NX の室内空間 #MSR,#HubaHuba NX,#テント #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
長さ150×幅50×厚さ2.5cmのインフレータブルマットを広げてみました。
実際に 40+5L と 30L のザックも室内に置き、大人二人が寝るには十分な広さです。
天井の白いひし形の4頂点にはライトなどを吊り下げられるループが付いています。
短辺側の壁2ヶ所には大きなメッシュのポケットがあり、
スマートフォンやメガネなど、手元に置いておきたい小物の収納に便利です。
年々少しずつモデルチェンジを繰り返してきただけあって、
全体的にとても良く考えられた、いいテントだと思います。
(2019年4月20日 追記)
2019年モデルは、
前室部分が赤色になり、一目で2019モデルとわかります。
見た目だけでなく、新素材のポールが採用され、レインフライとフロアのコーティングが新しくなっています。
現物をいじってきたらまた追記しようと思います。
メーカーの説明では...
軽さと居住性を両立したバックパッキングテントのベストセラーがアップデートしました。新たにイーストン社のサイクロンポールを採用。航空機グレードの複合素材で作られたこのポールは弾力性が極めて高く、強風などの力が加わるとその強さに合わせて曲がり、元の形に戻ります。さらに、レインフライとフロアには、新しいコーティング技術、エクストリームシールドシステムを採用しています。この新しいコーティングは、従来の標準的なコーティングと比較して約3倍長持ちします。さらに、正確で耐水性が高い縫製によってシームテープをなくし、経年劣化によってシームテープが剥離するトラブルを解消すると同時に軽量化にも貢献しています。テントのデザインはこれまでと同様。ハブとスイベルで連結した一体型のポールにより、スムーズな設営が可能。天井部で交差するポールによってサイドウォールをまっすぐ立ち上げ、快適な居住スペースを確保しています。
我が家のハバハバNXは3年目を迎えましたが、経年劣化のベタつきもそれほどなく、まだまだ快適に過ごせそうです。